O. Henry · 短編

Memoirs of a Yellow Dog

黄色い犬の回想録

ニューヨークの安アパートに暮らす黄色い雑種犬が、自らの半生を語り出す。女房にいびられる飼い主と意気投合した犬は、一杯のウイスキーをきっかけに、彼を家から連れ出す。『黄色い犬の回想録』の語りが可笑しくも切ない一篇。

75文約1,775語目安 約20分★★★ やや長文
この作品を読む →

この作品について

『黄色い犬の回想録』(Memoirs of a Yellow Dog)は、O. Henry(オー・ヘンリー)の短編小説です。yomukamoでは英語の原文を1文ずつ、日本語訳・文の骨格・文法ポイント・語彙の解説つきで、無料でそのまま読めます。辞書を引かずに物語のリズムのまま読み進められるので、英語多読の入り口としても、原文で名作を味わいたい方にもおすすめです。

冒頭を試し読み

I don’t suppose it will knock any of you people off your perch to read a contribution from an animal. Mr. Kipling and a good many others have demonstrated the fact that animals can express themselves in remunerative English, and no magazine goes to press nowadays without an animal story in it, except the old-style monthlies that are still running pictures of Bryan and the Mont Pélee horror.

動物からの寄稿を読んだところで、君たちの尻が浮くようなことはあるまい。キプリング氏をはじめ大勢が証明済みだ——動物は金になる英語で自己表現できるとな。近頃、動物の話が載っていない雑誌は一冊もない。いまだにブライアンとプレー山の惨事の写真を載せ続けている、あの古臭い月刊誌を除けば、だが。

But you needn’t look for any stuck-up literature in my piece, such as Bearoo, the bear, and Snakoo, the snake, and Tammanoo, the tiger, talk in the jungle books.

だが、私の原稿に気取った文学なんざ期待しなさんな——ベアルーという熊だの、スネイクーという蛇だの、タマヌーという虎だのが、ジャングルの本で喋り立てる、ああいうたぐいは、私のところには置いてないんでね。

A yellow dog that’s spent most of his life in a cheap New York flat, sleeping in a corner on an old sateen underskirt (the one she spilled port wine on at the Lady Longshoremen’s banquet), mustn’t be expected to perform any tricks with the art of speech.

ニューヨークの安アパートで、人生の大半を過ごしてきた黄色い雑種犬——部屋の隅っこで、古びたサテンのペチコート(女がレディ・ロングショアメンズの晩餐会でポートワインをぶちまけた、あれだ)の上で寝てるだけの奴がいる。そいつに、言葉の芸をやらせようなんざ思っちゃいけねえ。

続きを読む →

章一覧

yomukamoの読み方

  1. 画面の上に英語の原文、下に日本語の解説パネルが並びます。
  2. 解説パネルを下へスクロールすると、和訳・文の骨格・文法ポイントを1文ずつ読み進められます。
  3. 気になる単語はタップで単語帳に追加。進捗は端末に自動保存され、次回そこから再開できます。

O. Henryのほかの作品

The Rathskeller and the Rose
地下ビアホールと薔薇
田舎訛りを「本物」にこだわる人気女優ポージーのために、俳優ハイスミスは彼女の故郷へ赴き、現地の空気を身につけて舞台に立つ。見事な田舎者ぶりに観客は沸くが、翌日女優が下した決断とは。『地下ビアホールと薔薇』の粋な一篇。
76文約25分★★★ やや長文
Lost on Dress Parade
ドレス・パレードに紛れて
週給十八ドルの建築士チャンドラーは、十週に一度だけ百万長者の装いでブロードウェイの夜を楽しむ。転んだ娘マリアンを夕食に誘い、見栄で身の上を語るが、彼女の正体は。『ドレス・パレードに紛れて』の皮肉と余韻が光る一篇。
95文約30分★★★ やや長文
The Badge of Policeman O’Roon
巡査オルーンのバッジ
戦友オルーンに頼まれ、百万長者レムゼンは巡査の制服とバッジを借りて馬にまたがる。暴走馬車を救った英雄は、友の名と誇りを守るため、自らの名を名乗れずに去る。『巡査オルーンのバッジ』の後味が良い一篇。
93文約25分★★☆ ふつう
The Girl and the Habit
娘と習慣
ヒンクル食堂の美人レジ係メリアムは、大富豪マクラムジー夫妻に気に入られ、令嬢ローザとして社交界へ。だが慈善バザーで伯爵に口説かれた瞬間、三年の習慣が口をついて出る。『娘と習慣』のオチが痛快な一篇。
93文約25分★★☆ ふつう
The Unknown Quantity
未知の量
父がパンの買い占めで築いた二百万ドルを、青年ダンは貧しい者たちへ返そうとする。社会主義者の時計職人ケンヴィッツに導かれ、被害者の娘と出会うが、彼女は救いを拒む。『未知の量』という題が示す結末が心地よい一篇。
92文約25分★★★ やや長文
The Making of a New Yorker
ニューヨーカーができるまで
都市を詩として読む流れ者のラグルズは、最後の都ニューヨークに挑む。だが冷たく巨大な街は彼を黙殺し、車に轢かれかけた彼を、一人の貴婦人が介抱する。『ニューヨーカーができるまで』という結末の皮肉が光る一篇。
88文約25分★★★ やや長文
O. Henryの作品をすべて見る →